サザンクロス日誌  見つけた、わたしの居場所。

スポーツと音楽を通して、精神の障がい者と健常者がともに活動するサークルです。

みんな優しい人ばかり。

こんにちは。ボランティアの三代目です。

 

私たちが所属していたデイケアでは以前、 昼に給食が出ていました。

職員が給食センターに車で取りに行き、 デイケア近くの駐車場まで運びます。 そこから携帯電話で食事が着いたことを連絡し、 利用者と他の職員が駐車場まで取りに行くのが日常でした。

たまに駐車場ではなく、 デイケアの表玄関に近い道路わきに車をつける事もありました。

ある日、給食を車に積んだ職員が駐車場に到着し、 いつものようにデイケアに電話をかけると表玄関に回ってほしいと 依頼がありました。その職員は依頼に従って車を走らせました。 角を曲がった時のことです。

「ガッシャーン!!」

車の外で音がしました。

何が起こったのかと辺りを見渡すと、 車に積んであったはずの給食が道路に散乱しています。

「えー!? し、しまった!!」 

そう、駐車場に着いた時、車の上部(天井) に給食を仮置きしたんです。 それを忘れ車を走らせてしまったので、 給食は道路に落ちてしまったのです。しかも全部。

場所は商店が立ち並ぶ道路です。

すぐに車を停めて外に出ました。 散らばった食べ物を片付けたいのですが、 何も持ち合わせていません。

「ど、どうしよう……」

困っていると、 近くのラーメン屋の店主が駆けつけ、見ててあげるからと声をかけて くれました。すぐさまデイケアに走って戻り、掃除道具を持って戻ります。でも戻ってみると、関連施設の職員とラーメン屋の店主により、片付けは殆ど終わってい ました。や、優しい……! もうお礼の言葉もありません。

デイケアに戻ると、職員と利用者に事情を説明しました。

「ごめんなさい!」

容器に入っていてなんとか無事だった弁当を食べることになりました。 無事だったと言っても、中はぐしゃぐしゃです。 でも誰ひとり怒る人はいませんでした。むしろ、 みんな笑っていました。

「あちゃー、やっちまったなー」

商店街のひとにも、メンバーさんにも感謝でした。本当に助けられました。いまでも時折この時のことを思い出します。みんな優しい人ばかりでした。思い出すたびに、胸がほっこりとします。